脳卒中とはどんな病気ですか?
脳卒中は頭の中の血管が急に詰まったり破れたりして、突然様々な症状を呈する病気です。
大きくは脳の血管が詰まる「脳梗塞」と脳の血管が破れる「脳出血」、「くも膜下出血」があります。
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脳卒中は頭の中の血管が急に詰まったり破れたりして、突然様々な症状を呈する病気です。
大きくは脳の血管が詰まる「脳梗塞」と脳の血管が破れる「脳出血」、「くも膜下出血」があります。
脳卒中が発症した部位、年齢、基礎疾患の有無、そして何よりも脳卒中の病型(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)によって症状自体も様々です。
その中でもいずれの疾患にも共通する、「これが出たらマズイ!」という症状を示します。この症状が出たらぼーっとしていてはいけません。速攻動いてください!
脳梗塞は脳の動脈が詰まり、脳に血液が流れない部分が出来て、そこにある脳の細胞が死んでしまう病気です。そのため、手足、顔の麻痺や言葉の障害などが生じます。
脳細胞は血流が低下するとすぐに障害を受けてしまうため早い処置が必要です。
脳の中の血管が破れ、脳の内部で出血する病気です。出血した血液で脳がダメージを受け、頭痛や様々な障害が発生します。
部位と大きさにより、意識障害、運動麻痺、感覚障害などが生じ大きいと死亡原因となります。
多くの場合、脳の表面を走る太い血管にできた脳動脈瘤が破裂し脳を包むくも膜という膜と脳の間に出血します。
突然の激しい頭痛を生じ、意識を失うことが多くみられ、死亡する危険が非常に大きい病気です。予防には破裂する前に脳動脈瘤を処置する必要があります。
血管が詰まる場合(脳梗塞)も、破れる場合(脳出血)も、動脈硬化が原因です。
動脈硬化の主な原因は生活習慣です。
脳卒中は生活習慣の乱れから発生する病気です。
ただし、例外もあります。
脳梗塞の中で脳塞栓は心房細動という心臓の不整脈が原因で、くも膜下出血は脳の動脈が変化することが原因です。
しかし、不整脈や動脈の変化も高血圧などが原因である場合も多いので、やはり生活習慣をきっちりする!
これが大事です!
脳卒中には、「一過性脳虚血発作(TIA)」といわれる前兆がみられることがあります。
「一過性脳虚血発作(TIA)」とは、脳の動脈に血栓(血のかたまり)の詰まりが生じ、脳卒中の症状(しびれや頭痛、視野欠損、言語機能障害など)がでながらも多くは15分以内に、長くても24時間以内に溶けて消失するものをいいます。血の流れが通常に戻ると症状も回復します。
TIA発症から3か月以内に15~20%で脳梗塞を生じます。その約半数はTIA発症から48時間以内に生じます。
TIA発症から1日以内に治療を受けると、3か月以内の大きな脳梗塞発症は約2%に減少します。
このように、TIA発症時にいかに早く対応するかが重要です。脳卒中の症状が出て、すぐに治まったとしても必ず脳神経外科を受診してください。
脳卒中予防には、生活習慣を整える日々の積み重ねと、いざという時の迅速な行動が重要です。
脳卒中予防には、生活習慣を整える日々の積み重ねと、いざという時の迅速な行動が重要です。
特に、「あれ?おかしいかな?」と感じたときに迷ってはいけません。
すぐに救急車を呼びましょう!
脳梗塞の場合、早ければ早いほど回復の可能性があります。
脳梗塞は時間との勝負です。これは、脳梗塞だけでなく脳出血でも、くも膜下出血でも同じです。発症から時間が経過すれば脳組織がどんどん破壊されていきます。
「大げさにして違っていたら恥ずかしい」「間違っていたら医師から怒られるかも…」
そんな心配は不要です。おかしいと思ったら、とにかく行動してください!
TIME LOST is BRAIN LOST
(時間を失うことは脳が失われることと同じです)
必ず覚えていてください。
突然の、激しい頭痛は非常に危険です!
くも膜下出血の可能性が強いです。すぐに救急車を呼びましょう。
激しい頭痛は、脳動脈瘤破裂により生じることがほとんどで、いったん出血が止まっても再破裂する危険が高いです。
再破裂は致死的ダメージとなる確率が非常に高くなります。
脳神経外科の専門病院では、早期に再破裂予防処置を行います。
この他にも、下記のような頭痛を感じたら、すぐに専門病院を受診してください。
疾患によって異なりますが、全身と脳の状態が落ち着き、点滴による治療が不要になり、病状が悪化する可能性がほぼなくなるまでです。
疾患別に言うならば、次の状態になれば自宅退院や転院など、病態に応じた選択を行います。
急性期治療が終わって麻痺などの障害が残っている場合はリハビリが必要になります。目標とするゴールによっても異なりますが、障害を改善させ目標に向かって訓練します。
基本的機能の障害を再獲得することを目指す。
社会生活に復帰することを目指す。