在宅介護での日常生活で気をつけることはありますか

退院後の日常生活に多くの不安を抱えておられる方が多いと思います。アドバイスとしては「何とかなる!でも何とかしようとする!」です。

無理をしない
出来ることと出来ない事に線を引いてください。
出来ない事は人に助けてもらいながら、出来ることは自分でする。これを守ってください。
退院直後はあまり転倒しません。自然と無理をしないからです。危ないのは自信が出てきたときです。自信が出てくると線引きがあやふやになってきます。転倒して骨折、再入院が起こるのは無理をしてしまいがちな、この頃です。
家に閉じこもらない

家でじっとしてると心が弱ります。少しでもいいので外の空気を吸ってください。散歩でも、デイサービスにリハビリに行くのでも、なんでも構いません。
特に言葉の障害の方は閉じこもりがちですが、言葉のリハビリは人と話すことです。積極的に「外」に行き、「人と話し」ましょう。

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日々のリハビリを頑張る

デイサービスなどで汗を流してひとっ風呂浴びて帰る、デイサービスをジムみたいに使うのもいいです。
それだけではなく、自宅での日々の訓練も大事です。1日に1~2回、椅子から立ち上がる、寝転がってお尻を上げる、嚥下障害の方は嚥下体操をする。大層なことでなく、少しずつ無理のない範囲で、しかし毎日行うことが大切です。

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三方一両損の生活 (みんなが少しずつ頑張る、我慢する)

自由にならない身体での生活はストレスが溜まります。周りの方に、つい無理を言ってしまうこともあるでしょう。しかし、周りの方もあなたの介護でしんどい思いをしています。
お互いが少し引いてお互いを思いやりながら生活していきましょう。これが在宅介護をスムーズにやっていくコツです。
また、医療介護職にどんどん相談して、無理を言ってください。今までの経験に基づいたサポートが可能です。

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医療、介護の人たちをうまく利用する

医師や看護師、ケアマネジャーやヘルパーなど、医療介護者にどんどん相談して、無理を言ってください。今までの経験に基づいたサポートが可能ですよ。

ケアマネジャーが一番重要な人になります。あなたのおかあさんと思ってください。
退院後の介護サービスは、何をするにもケアマネジャーを通して行うことになりますし、最もあなたの近くにいる人になります。

医療的なことは訪問看護師、かかりつけの先生、そして薬剤師に相談しましょう。それで解決できない専門的なことは急性期病院やリハビリ病院が対応します。
患者さんとご家族の周りをこのような専門医療、介護職が固めています。これらの人間を上手に活用してください。

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通所リハビリと訪問リハビリ、どちらがいいですか?

結論は「どちらでもいい」です。
今、皆さんが必要なものはなにか、本人さんがどちらを好むのか、入浴などの付帯サービスが必要なのか、このようなことを考えて最も適切な方法を考えてください。

ケアマネジャーやかかりつけの先生と相談することも必要です。

デイサービスの頻度はどれぐらいがいいですか?

ケースバイケースです。
ご家族の仕事の量、患者さんの自立度、リハビリの必要度、患者さんの性格や体力、栄養管理の問題など様々な要因で適切なサービスの量が決定されます。かかりつけの先生やケアマネジャー、サービスを受けているセラピストに相談してみましょう。

ひとつ言えることは、全く行かないのはダメ、でも無理をするのもダメということです。
在宅での生活は短距離走ではなくマラソンです。自分のペースを守って、時には頑張り、時には休み、という感じで取り組みましょう。

サービス事業者やケアマネジャーとうまく合いません

あまりあってほしくない事ですが、人間同士である以上は、うまくいかないことがあっても当然です。
その時は自分の思いを、まずはケアマネジャーに相談してください。

その中で、今のサービス、ケアプランを継続するのか、他のサービス、ケアマネジャーにお願いするのか、決めるのはあなた次第です。余計なことを気にして我慢する必要もありませんが、かといって頻繁に変更するというのも、お勧めしません。

考えた上で自分たちにとって何がベストなのか?を自信を持って決断されるのが良いでしょう。医療、介護者と患者、家族として、ビジネスとして、人間として良い関係が築けるかどうかが重要です。

介護量が増えて介護がきつくなってきました

在宅の介護では様々な要因でご家族の負担が変化します。加齢や再発、別の病気になって本人の障害の程度が重くなる、介護者側の介護能力が社会的要因、身体的要因により低下する。不思議でも恥ずかしい事でもない、当たり前のことです。
こんな時はどうしたらいいでしょうか?

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1.ケアネジャ-に相談
まずはケアネジャ-に相談しましょう。ケアプランを作り直すことで対応可能な場合は結構あります。
2.かかりつけ医やリハビリ施設に相談
医療的に改善の可能性があるかどうかを、かかりつけの先生やリハビリ施設に聞いてみましょう。
3.施設や病院を考える
そのうえで在宅が困難であれば、施設への入所や病院への入院を考えることも良いかもしれません。
現在は介護力の問題があって在宅での介護が困難でも、将来は状況が変わっているかもしれません。その時はまた在宅での介護を考えると良いでしょう。

よくわからなければ、リハビリを受けた病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)に聞いてみるのもいいでしょう。

退院後、食事がとりにくくなった時の対応を教えてください

食べ物をうまく噛んだり、飲み込めなくなる障害を嚥下障害と言います。
退院後は飲み込みの機能が変化します。良くなってくることもありますが、問題は悪くなってきたときです。

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悪くなった時に放置しているとひどい低栄養状態や誤嚥性肺炎になってしまいます。
次にあげるような症状が続く場合は要注意です。
嚥下障害の評価が可能な病院(主に1~7の症状)や歯科医師(特に8~12の症状)に早急にお問い合わせください。

摂食・嚥下障害
チェックリスト

  1. 食事の量は減っていませんか?痩せていませんか?
    (元の体重から 1ヵ月で5%、6ヵ月で10%の減少が認められるとき)
  2. 食事にかかる時間は長くなりましたか?
  3. 喉につかえたりして飲み込みにくくなっていませんか?
  4. 夜間に咳き込んだり微熱がよくでていませんか?
  5. 食事のあと、ガラガラ声になっていませんか?
  6. 話すときに舌がひっかかりますか?
  7. 食べこぼしたり、口の端からよだれがこぼれたりしませんか?
  8. 固いものが食べにくいですか?
  9. 口の中は綺麗ですか?口の中が乾きやすかったり、口臭が気になったりしますか?
  10. 味の好みが変わったり、薄味がわかりにくくなっていませんか?
  11. 食後に口の中に食べ物が残りやすくなっていませんか?
  12. 自分の歯、または入れ歯で左右の奥歯をしっかりと噛めますか?

食事や栄養で気をつけることはありますか?

食事はきっちりと3食摂取するのが基本です。
栄養の量が適切かは、かなりわかりにくいので、まずは毎日体重を測ることをお勧めします。
体重が維持できているならば至適栄養量、痩せてきたなら足りない、もしくは何か問題が発生していると考えられます。そして逆に太ってきたのであれば食べ過ぎです。
※体重増加は麻痺がある場合はマイナスになります。

この他にも、一般的な食事に関する注意事項である塩分やたんぱく質摂取量や偏った食事をとらない、間食やお酒の量など注意する点はいくつかあります。かかりつけの先生にまずはご相談ください。
栄養士による訪問栄養指導も良い方法です。

嚥下障害があります。栄養管理で気をつけることはありますか?

経口摂取が可能であれば、何よりも体重に気を付けてください。体重が維持できているかどうかは栄養管理の基本です。
口腔、嚥下機能が落ちた場合は体重が減少してきます。嚥下調整食の場合、同じエネルギー量を摂取するには、普通の食事の2倍程度の量を摂取する必要があります。体力がなくて全部を食べられない時は、知らず知らずに栄養状態が悪化しています。
そんな時は中鎖脂肪酸やプロテインパウダー、高濃度栄養食品を活用することがおすすめです。

詳しくは嚥下障害対応施設や栄養士にお問い合わせください。

胃ろう(PEG)を使用しています。気をつけることはありますか?

胃ろう(PEG)にはボタン型とバルーン型の2つのタイプがあり、種類によって管理方法が異なります。

合併症としてよくあるのは、栄養剤が漏れて胃ろうの周りに炎症を起こしたり、胃ろうがこすれて皮膚にかさぶたを作ることがあります。
また、胃ろうがお腹に埋もれてしまうため、太りすぎるのもよくありません。

胃ろうで使用する栄養剤には、形状の違いでは液体のものと半固形状の2種類があります。また、診療上の取扱いの違いでは、薬品扱いで医療保険が適用されるもの、食品扱いで自費となるものの2種類に分かれます。

どの組み合わせが患者さんにとって最適かは、胃ろうの管理方法も含めて主治医とよくご相談ください。
お困りの場合は、嚥下障害対応施設にお問い合わせください。

経腸栄養から脱出できませんか?唐揚げなどの揚げ物は食べられないでしょうか。

嚥下障害の予後は様々です。時間を経るにつれてすごく良くなる人、逆に悪くなってしまう人、一概には言えません。
現在の食事の状況、言語聴覚士による評価、必要に応じて嚥下内視鏡、造影検査を行いアドバイスは可能です。

現在のかかりつけの先生とご相談された上で、必要に応じて嚥下障害対応施設にお問い合わせください。

口腔ケアが必要だと言われました。なぜでしょうか。

お口の中をケアすることは、身体のケアをすることと同じです。
飲み込み障害があるとき一番怖いのは誤嚥(間違って食べ物や水分、唾液が肺に入ってしまうこと)による誤嚥性肺炎です。
唾液や水は、基本的に誤嚥しても大きな問題はありません。その時に一緒に口の中の雑菌を飲み込んでしまうことで肺炎になります。
そのために口の中をできるだけ綺麗に保つ必要があります。この行為を「口腔ケア」といいます。毎日口腔ケアをきちんと行う、それだけで肺炎の発生は減らせます。

また、虫歯や歯周病は雑菌の巣窟です。しかし、これはご家族には手に負えません。東播磨の歯科医師会では在宅歯科診療をスムーズに行えるシステムを整えています。
口腔ケアの相談も含めてお気軽にお問い合わせください。